【プロが徹底解説】エンジンカッター編|~使用方法からメンテまで~

建設現場や解体作業でよく見かける【エンジンカッター

コンクリートやアスファルト、鉄などの硬い材質を切断できる頼れる機械ですが

「どれを選べばいい?」「使い方のコツはある?」といった疑問を持っている方も多いはず。

今回はそんなエンジンカッターの基本から、使い方、メンテナンス方法まで徹底解説していきます!

具体的には・・・

こちらについてしっかり解説していきます!

エンジンカッターとは?

エンジンを動力源として、高速回転する円盤型の刃でコンクリート・アスファルト・金属・レンガなど硬い材質を切断するための機械です。

主に以下のような現場で使用されます。

  • 土木工事
  • 建築現場
  • 消防・レスキュー活動
  • 解体作業

エンジンカッターの使用例

  • 建築、土木工事にてコンクリート構造物(壁、床、水道管など)の切断。
  • 道路工事でのコンクリートとアスファルトの切断。
  • コンクリートや鉄の除去・解体作業。
  • 災害救助時、開かなくなった扉や乱雑する瓦礫を除去・切断。

このように職人さんや救助隊などの様々な人と現場で使用されます。

特徴

  • 持ち運びができるポータブルタイプ。
  • エンジン駆動のため、電源が不要。
  • 高出力で短時間に切断可能。

燃料

ハンドタイプのエンジンカッターは2サイクルエンジンのためガソリンと2サイクルエンジンオイルを混ぜた混合燃料が必要です。

混合比は機種によって異なりますが、一般的には25:1や50:1といった比率でガソリン1Lに対してオイルを20ml~40ml混ぜます。

この混合燃料は2サイクルエンジンを搭載したエンジンカッターの潤滑と焼き付き防止のために使用されます。

フロアタイプ(手押し自走式)は4サイクルエンジンが主流で燃料はガソリンになります。

ブレードの取り付け方

1.ボルトを外します。

2.フランジワッシャーを1枚外します。

3.ブレードの回転方向を確認し、取り付けます。※ブレードに書かれた矢印が消えている場合は写真を参照

4.2で外したワッシャーを取り付けます。

5.1で外したボルトを取り付けます。

6.手でブレードを抑えながら付属の工具でしっかり締め込みます。

ブレードの取付手順
ブレードに書かれた矢印が消えている場合

以上が刃の取り付け方になります。

刃の向きが違うと切断能力が低下し、刃の寿命も短くなりますので正しい向きで取り付けるように注意しましょう。

エンジンのかけ方

準備:燃料が入っているか確認します。

1.デコンプバルブを押します。

2.STOPスイッチが左の位置にあることを確認します。

3.チョークレバーを引きます。(暖気されている場合は一度チョークレバーを引き、すぐに戻します。)

4.プライマーポンプを約6回押し、燃料が来ていることを確認します。

5.フロントハンドルを持ち、リアハンドルの下側に右足を乗せ固定し、初爆音が鳴るまでスターターを引きます。

6.チョークレバーを前方に戻します

7.デコンプバルブを押します。

8.始動するまでスターターを引きます。

エンジンのかけ方

メンテナンス方法

使用し続けると機体の至る所にコンクリートなどの粉塵が溜まっていきます。

ここでは長くエンジンカッターを使い続けるために実施したいメンテナンス方法についてご紹介します。

エアフィルターの掃除

エアフィルターに粉塵が溜まりすぎるとエンジン出力の低下につながるので定期的に掃除しましょう。

※詳しい手順は、「機械の調子が悪い場合はここをチェック!」をご覧ください。

エアフィルターを掃除した流れでその他の部位も一緒にエアーで吹くことをお勧めします。

◆機体側面のスターターロープがついている網部分。

こちらに粉塵が溜まって固まるとスターターロープが引きにくくなります。

網の外側からエアーで吹く

◆ブレード取付部周辺

ブレード取付部の裏側に、工具を指してシャフトを固定する穴があります。

そこからエアーを吹くことでベアリング付近に溜まった粉塵を吹き飛ばすことができます。

穴からエアーで吹く

◆マフラー

マフラーにコンクリート等が付着したまま使用し続けると熱を持ちやすくなったり、錆付の原因になります。

湿式対応の機体であれば水洗浄も可能ですがマフラーの口から水が入らないように注意しましょう。

横から見たマフラー
前から見たマフラー

◆ドライブベルト周辺

ベルトは隠れていますがこちらにも粉塵は溜まります。

ベルトが設置されている下部の穴からエアーで吹いてください。

その他汚れが気になる点、粉塵が溜まっているところがあればできるだけ掃除して保管しましょう。

穴からエアーで吹く

◆ワッシャー摩耗によるすり減り

長い期間使うとブレードを固定するワッシャーが摩耗してすり減っていきます。

すり減ったワッシャーで使い続けるとブレードをしっかり固定できずガタつく恐れもでてきます。

ワッシャー同士で合わせたときに大きく隙間ができるようであればワッシャーを交換した方がいいでしょう。

摩耗して隙間ができたワッシャー
新品で隙間のないワッシャー

保管方法

・機体は掃除等のメンテナンスが終わった後、湿気の少ない場所で保管してください。

・混合燃料は劣化するため、数週間で使い切るのがベストです。

・長期間使われない場合は燃料を抜いて、キャブレター内の燃料も空運転して燃焼させましょう。

※キャブレター内で燃料が劣化して腐ってしまった場合、修理が必要になるため要注意!

・ブレードは機体から取り外し、掃除して湿気の少ない乾燥した場所で保管しましょう。

・保管前、機体にCRCなどの防錆・潤滑剤を吹きかけておくと使用後の掃除が楽になるのでおすすめです。

機械の調子が悪い場合はここをチェック!

エンジンの出力低下

エアフィルターに汚れが溜まっている可能性があります。

下記の手順でフィルターを取り出してエアーで汚れを吹き飛ばしてください。

1.付属の工具で上部蓋のねじを外します。

2.フィルターの両脇についているねじを外します。

3.フィルターを軽く潰して裏から引き抜きます。

4.フィルターの裏側からエアーで吹いて、粉塵・汚れを吹き飛ばしてください。

長期間使用されている場合はエアフィルターの下についている白い半透明のフィルターがオイルで濡れていることがあります。

エアフィルター掃除時についでにエアーを吹いて掃除することをおすすめします。

エアフィルター掃除手順
エアフィルター下
オイルで濡れていたら裏からエアーで吹く

エンジンが始動しない

・始動手順が正しく実行されていない。→本記事の「エンジンのかけ方」をご参照ください。

・停止スイッチが右側(STOP)の位置にある。→停止スイッチが左の位置にあることを確認してください。

・燃料がない。→燃料を補給してください。

振動が大きすぎる

・長時間使用によってブレードが熱を持ち、ゆがんでいる可能性があります。※夏場は特に熱を持ちやすいため注意。→一度使用するのをやめて熱を冷ましてください。冷まして正常に回転すれば問題ないです。

・ブレードが正しく取り付けられていない。→本記事の「ブレードの取り付け方」をご参照ください

・ブレードに不具合がある。→損傷していないブレードに交換してください。

まとめ

エンジンカッターは切断作業を行う現場において、たいへん頼れる機械です。

正しい使い方で安全に作業するために本記事を参考にしていただけたら幸いです。

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